コロカ事業

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青森・おきな屋の薄紅


 

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紅玉だからこそ出せる甘酸っぱさ

薄紅の特徴の一つは、なんといっても独特な形状です。リンゴを真横から輪切りにしたもので、周りには皮がそのままついており、中心には種のあったところが桜の花びらのように残っています。典雅な見た目は和菓子にしか出し得ないものではないでしょうか。

薄紅に用いられる紅玉という品種はリンゴのなかでも価値が高く、1玉200~500円するものも珍しくありません。おきな屋の田村さんは「紅玉でなければ、薄紅の美しい色と香りは出せません」と語ります。また紅玉の持つ酸味が、干菓子にしたとき美味しさへと変化するのだと教えてくれました。

 

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自然な形のまま伝えたい

おきな屋では、毎年40トン以上の紅玉を仕入れています。薄紅にするものは、これを輪切りにし、人の手でひとつひとつ種を取り除きます。芯の部分を機械でくり抜くこともできますが、「リンゴの魅力をできるだけ自 然な形のまま伝えたい」という思いから、おきな屋ではあえてひと手間かけています。

丁寧に種を取ったリンゴは、次に大きな鍋で砂糖と一緒に煮ます。このとき砂糖が染み込むことで リンゴの甘味が増すと同時に、カットされたリンゴが、まさに紅色に染まっていきます。

 

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リンゴ1玉で1~2枚

30分ほど煮詰めたらリンゴを取り出し、2日間ほど乾燥に時間をかけ熟成させます。熟成時間を充分 にとらなければ、薄紅の美味しさが半減してしまうほど重要なポイントであると田村さんは教えてくれました。

こうして一見、単純な工程で作られる薄紅ですが、煮て乾燥させる過程で形が崩れてしまったり、 規定のサイズに合わなくなったりするものが出てきます。そのため、薄紅として販売されるのは、使ったリンゴのうち10分の1ほど。リンゴひと玉から、わずか1~2枚しか作れない計算です。

そこまでこだわるからこそ、薄紅には他に真似できない風味が出るのでしょう。

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