おでかけを科学する<コロプラおでかけ研究所(主席研究員:長谷部潤)>は、株式会社コロプラ(代表取締役:馬場功淳)が運営する位置ゲープラットフォーム「コロプラ+(プラス)」における月間4,000万回もの位置登録情報を分析。その結果、今年のGWのユーザ当たり平均移動距離は前年比7.9%増であったことが明らかになった。人出は前年に対し確実に伸びたものの、全体的に「西高東低」の傾向が強く、特に首都圏の人々は昨年に比べ大幅に「西」へと向かった。東北地方は健闘した地域も目立ったが、全体としては厳しい結果であった。
※位置登録データは統計処理をしており、ユーザの皆様個人を特定できるものではありません。
※当該資料はサマリ版です。フルレポートはこちらのPDF(956KB)をご覧ください。
GWおでかけ指数(会員増減分を調整した位置登録回数)前年同期比。西高東低であることが分かる
確実に「活発なおでかけ」であった今年のGW
下図は、<コロプラ+>のユーザ当たり平均移動距離の日次推移を、2010年と2011年とで比較したグラフである。GW期間中の比較では、昨年に対し7.9%もの伸びとなった。震災で冷え込んだ人々の「おでかけ」であるが、このGWを機に一気に従前の状態にまで戻った可能性がある。
震災以降、前年に対しビハインドしていた平均移動距離であるがGWを機に一気に前年を上まわった
地域的には「西高東低」が顕著だった今年のGW
下図は、地方ごとの会員増減分を調整した位置登録回数を指数化した「おでかけ指数」の前年同期比である。結論から言うと「西高東低」が色濃く出た今年のGWであった。関東地方ユーザがこれまで以上に「西」に向かい、一方で関西地方ユーザは「日本最大の観光地」である東京に向かう比率が昨年に比べて大きく減少した。東北地方は流石に厳しく、12.5%のマイナス。
地方別のおでかけ指数の前年比伸率。関東以北と中部以西との違いが如実である
震災の影響のなかった関西(二府二県)の人々はどこへ向かったか?
震災の影響を受けておらず、おでかけする人々も昨年に比べ大いに伸長した関西地方の人々のおでかけ指数伸び率は下図の通りである。最も伸びたのが青森県。母数がもともと小さいところに震災関連で実家や親戚など訪れるユーザが上積みされたと推定。4位の愛媛県は関東からも訪問するユーザが多く、NHKドラマ「坂の上の雲」などで認知が上がったことが要因と考えている。ワーストで目立つ所では45位(ワースト3位)の東京都。日本最大の観光地である東京もこのGWばかりは厳しかった模様。
関西二府二県ユーザのおでかけ先位置登録数伸率ランキング(都道府県別)
自粛が懸念された関東(一都三県)の人々はどこへ向かったか?
最も人口規模が大きく観光業への影響も大きい関東地方の人々のおでかけ状況は、関西以上に「西」へと向いた。4位の滋賀県は全国では2位。全国から人を呼んだエリアの一つである。やはりNHK大河ドラマ「江」の影響が強いと思われる。5位の奈良県は、全国ベースでは1位であり、関東のみならず、全国からも多大なる人気であった。ワースト5位には東北地方が3県含まれており、厳しい結果となった。ただ観光地の中には健闘しているエリアも多い。岩手県の遠野、秋田県の大館、宮城県の蔵王、福島県の喜多方、などは前年比でプラスであった。
関東一都三県ユーザのおでかけ先位置登録数伸率ランキング(都道府県別)
関東の「近場」はどうだったか?
関東地方の人々は、震災の影響もあり、もともと「近場」に人出が集中するのではないか、との観測が強かった。全国の駅を軸に前年に比べ人出が伸びたエリアを見ると、上位5駅のうち、3駅が「近場ニーズ」であったことがうかがえる。1位の北与野駅は、GW期間中に「Mr.Children」のツアーがあったため。3位の吉川駅は大規模ショッピングモール「イオンレイクタウン」のある越谷レイクタウンの隣駅。4位の舞浜駅は言わずと知れた「東京ディズニーリゾート」の最寄駅。以前のレポートでも記したが、浦安市のおでかけ指数は、ほぼ震災前の水準に戻っている。
<コロプラ+>全ユーザによる駅別位置登録数伸率ランキング
まとめ ~東北は依然厳しいものの、「おでかけ」の回復は顕著~
3月31日に<コロプラおでかけ研究所>の第一回レポートを発行して以来、当研究所では一貫して「人々の移動なくして経済の復興はない」とのスタンスで、様々な角度からレポーティングを続けてきた。そうした震災以降のおでかけの状況をある意味総括したのがGWを受けての今回のレポートである。
結果は予想通り全体としては昨年のGWを大きく上回る「おでかけ」を確認することが出来た。特にユーザ当たり平均移動距離が前年比で約8%も伸びたのは当研究所でもサプライズであった。ただ中身に関しては、想像以上に「西高東低」であった。特に関東地方ユーザの「西」への偏りは、こちらも軽いサプライズであった。
少なくとも「自粛」がおでかけの阻害要因となっていた状況は、ほぼ払拭された。ただ将来に対する漠然とした不安や、景気動向などを鑑みると、財布の紐はますますきつくなることが予想される。これまで以上の企画力とメディア連携による露出など工夫が必要となってくるだろう。
今年のGWの「おでかけ距離」は前年比7.9%増。西高東低が顕著(956KB)
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コロプラおでかけ研究所について
株式会社コロプラ内に設立された「おでかけ」に関するリサーチセンター。位置情報プラットフォーム<コロプラ+>におけるユーザからの月間4,000万回にも及ぶ位置登録情報データをベースに「人々の移動」を調査・分析し定期レポートを発表している。
主席研究員:長谷部潤 ※株式会社コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)を兼務
【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社コロプラ 経営企画部:天野 press@colopl.co.jp