レジェントクリエイターから見た、コロプラで働く魅力とは?「COLOPL NightTalk 〜金子一馬のゲームづくりの神髄〜」イベントレポート!
2024年8月9日(金)、コロプラ本社にて求職者向けの採用イベント「COLOPL NightTalk 〜金子一馬のゲームづくりの神髄〜」が開催されました。
本イベントでは、取締役兼エンターテインメント本部 本部長の坂本と、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』『白猫プロジェクト』などを手掛けたリードクリエイター角田、そして『真・女神転生』シリーズのキャラクターや悪魔デザインなどを手掛けてきたレジェンドクリエイター・金子の3名によるトークセッションを中心に、興味深い話が飛び出ました。
本記事では、ディープな内容となったトークセッションの様子を一部抜粋してご紹介します。
コロプラ本社にてイベント開始!
イベントはまず、コロプラの会社説明から始まりました。
求職者向けに、これまでのコロプラのものづくりに対する想いや掲げているフィロソフィーを紹介した後、坂本、角田、金子の3名が登壇しトークセッションがスタートしました。
トークセッションでは坂本が進行を担当し、いくつかのトークテーマについて話をしました。
◆「0から1を発想するプロセス」
最初のトークテーマは、数々のゲームの世界観やコンセプトを手掛けてきた金子と角田のものづくりのプロセスについて。
坂本 それでは、本格的なセッションの前に、イントロとしてお二人がクリエイターとしてどういうことを考えてものづくりに励んでいるかを簡単に質問させていただきたいと思います。
まず最初に世界観とかキャラクターなど、クリエイティブな「ゼロイチ」の部分を発想するプロセスを始めるときに最も大切にしていること、どういう風にそれを行うのかを伺えますか。
金子 まず、あまり周知されていないことですけど、僕はイラストレーターだと思われているんですが実はゲームのコンセプトを考えるところからやっています。僕の場合コンセプトを考えて、世界観やストーリーを考えて、その上でキャラクターデザインという感じでやってました。
コンセプトから考えていきますと、基本会社員ですから会社の商品を売ることになります。商品として売れないと意味がないのですが、売れるかどうかは時の運もあるので必ずしも上手くいくとは限りません。
そこで最良の選択は何かというと、「他社と被っていない」のが一番いい方法かなと思っています。そこで「被っていないものは何か」というところで考えていきます。
角田 私の話でいうと、もともと3Dグラフィッカーで入社しましたので、どちらかというと世界観とかキャラクターデザインとかは全然得意ではなく、アプローチがまったく異なります。
順番的には「触ってて気持ちいい」とか「楽しい」とか、「それをどうやったらゲームにできるのか」というのが先んじてくるので、逆に「それを際立たせるための世界観は何か」みたいな感じで考えていきます。
金子さんが仰った「先に世界観ありき」で作っていくっていうのは、まさに憧れといいますか、どうやったらそれができるのかお聞きしたいですね。
金子 ゲームって仕組みで遊ぶものだと思うので、仕組みをどのように遊びとして面白くしていくのかが一番大事だと思っています。
世界観設定やキャラを決めたら、もうこれは動かさないとかじゃなくて、仕組み上こうした方が面白いってことになればどんどん世界観設定を変えます。
ゲーム業界で育ったからこその柔軟性ですね。
他社とは異なるところ、被っていないことを見つけ、それらを強みにコンセプトを考えるという金子。一方の角田はゲームのコアとなる遊び、楽しいと思える体験をまず考え、世界観はそれらを際立たせるために構築しているといいます。
両者はいい意味で正反対で、自分の個性にあったスタイルでものづくりに取り組んでいることがわかりました。
続いては反対に「思考に行き詰まったときはどのように解決しているか」という話題に。
坂本 逆にインスピレーションが湧かないときや、考えあぐねて停滞してしまうことも多いと思うんですが、そういう「詰まっちゃった時」に心がけてることはあるんでしょうか?
金子 詰まることは、あるけどないというか。
常に考えていると、何かたまたま滅多に行かないところに出掛けて、そこで見たものが「ああいいじゃん」と思ったり、何か導きがありますね。セレンディピティ(幸運な偶然の出会い)的なというか、何か「降ってくる」みたいなのはある気がします。
常に考えていると、ゲームだけじゃなくて、むしろゲーム以外のことしか考えてないけど、いろんな思考がごっちゃになっているから。そういう思考が上手く混ざった瞬間っていうのが、どっかであるんだと思うので、たぶん常に考えていることが大事かなと思います。
角田 金子さんとほぼ一緒ですが、コロプラに入ってから結構いろんなゲームを作らせていただいて、立ち上げの時は「わー楽しそう!」ってなるんですけど、だんだん作りあげて詰めていくと、「ダメじゃね?」みたいな雰囲気が出始めて絶望期に入ることがあり、テストプレイとかで、「これどう面白くなるの?」みたいな状態に100%なりますね。
金子 テストプレイしすぎて麻痺してるのもあるんじゃないですかね。倦怠期のような。
角田 それもあると思いますね。
そういう絶望期が絶対に来るんで、その時に「あーでもない、こうでもない」って諦めずにやり続けると、何か取っ掛かりが一個できたりして、「あ、ここの部分なんか面白くね?」みたいな状態に転換されるので、そういったところから広げていくと、結構上手くいくことがあります。 やり続けた結果、定量的に何人かが「ここ面白くね?」みたいなのが出てきますね。
それが1、2ヶ月で来ることもあれば、2年ぐらい作って、ユーザーレビューしてボロクソだったりで、3年目にようやく開けることもあります。そこで諦めずにリリースまで歯を食いしばって、死んでもやり続けること。ゆえに考え続け、諦めないっていうのは結構重要なことだと思います。
2人とも、諦めずに考え続けることが煮詰まった時の突破方法であると話しました。
◆「コロプラの働く環境について」
話題は変わり、コロプラの働く環境について昨年入社した金子に話を聞いてみました。
坂本 次はコロプラで働く環境についてお話を聞かせていただけますか。
金子 皆さん礼儀正しいし、ちゃんとしていると思いました。たぶん人事の方がしっかり対応されてるんだなと思います。
自分は何社も見てきていますし、それ以外に仕事で色々な会社さんと付き合いもあるんですが、コロプラはきちんと人柄も重視して採用されているなと思いました。
ゲームを作りたいと思う人は、内向的な性格の方が多かったりするので、褒めるところは褒めるようにしています。上に立って自分の仕事をしていきたいと思ったら、部下に対しても気を遣えるような人間にならないといけないんじゃないかなと思いますね。
金子の話に対して角田もこれに同意し、現在はコロプラでは計画に沿ってものづくりに取り組むことができる流れがしっかりできており、オンオフもちゃんと分けられていると話しました。
◆「最新技術について」
続いて現在世間をにぎわす新技術「AI」について。
坂本 コロプラは「最新のテクノロジーと、独創的なアイデアで "新しい体験" を届ける」というビジョンを掲げているのですが、最先端のテクノロジーといったときに、昨今では生成系AIは無視できない存在かと思います。
特にクリエイターがAIとどう向き合っていくかは非常に重要なテーマだと思うんですが、生成系AIみたいなものに対してどうお考えなのか、率直なところを伺えますか?
金子 自分もテストを踏まえていじってますね。「AIはこういう風に考えるのか」と感心させられるものもあって、勉強になります。
自分で触れてみたり、社内でAIの活用を推進しているチームに検証作業を見せてもらうと、意外とプロンプトで同じことを入れてるはずなのに個性が出るというか、人によって違うのが出てくるのが面白いと思いますね。
そういうのを見ていると、これは「絵でいうところの画材なんだな」と思いました。
角田 業務効率化などで当たり前のように使われ始めていますが、AIならではの面白さをどのようにエンターテインメントに昇華するかを考えていけると面白いと思っています。
今までゲームは基本的に人の作った情報による応答でしたが、AIの場合は本当に何が返ってくるかわからない。ここまで思考を飛躍させられるんだという驚きがあります。
未だ人ではないと思いつかない部分や反応の曖昧さが結構あったりするので、そういったところを上手く改善できると、より面白くなるかと思っています。
◆「ものづくりの哲学について」
トークセッションがよりディープになっていき、ものづくりの哲学についての話題に。
坂本 「金子一馬のゲームづくりの真髄」というイベントのテーマに沿って、それぞれクリエイターとして独自の哲学というか、一貫した考え方があるかと思うんですが、聞いてみてもよろしいでしょうか。
金子 僕はそんなに小難しいものはなくて、自分の持っている疑問点をものづくりで昇華しようというぐらいですね。例えば暴力的になりたい一瞬とか、そういう感情を色々と置き換えて相手をゾンビにしてゲームに落とし込んだりとか、社会問題を皮肉をこめた比喩表現でプレイヤーの皆さんに伝えたいと思ってます。
角田 私は前職が映像業界でしたが、映像は右脳の刺激だけなんですね。目と耳から入ってきた情報で心を揺さぶるという直感的なものなんですが、ゲームは左脳も使うんです。左脳というのは数字による遊びや分析、コツコツ積み上げて問題を解決するロジカルな思考を行います。なので、ゲームは右脳と左脳をフル活用します。映像表現は右脳で、自分のインプットした入力に対してフィードバックして乗り越えるような体験では左脳も使います。
右脳と左脳を刺激して心を動かす、というのを個人的に重視していて、ゲームならではの魅力として右脳と左脳をしっかりと刺激しながら、心を揺さぶるものでなければいけない。ゲーム作りにおいて、そこはすごく大事にしています。
◆質疑応答パート
トークセッション終了後、求職者の方からの質問に登壇者が直接答える「質疑応答パート」を設けました。
レジェンドクリエイターに直接質問できる機会ということで、「スマートフォン向けゲームということで何かデザイン上で意識していることはありますか?」や「『project MASK』のコンセプトアートで絵のスタイルを変えた点、変えなかった点はあるのでしょうか?」など金子のものづくりに関する質問や、「どういった方と働きたいですか?」や「コロプラとしては、どういった方を求めていますか?」といった働き方やコロプラの採用に関する質問がありました。
◆まとめ
イベントではトークテーマ以外にも金子がゲーム業界に入ったばかりの頃の話や、これまで携わってきたゲームの誕生秘話やウラ話など、興味深い内容が次々と語られ、盛況のうちに閉幕となりました。
今回、求職者の方に向けたクリエイターたちのトークセッションを通じて、コロプラのものづくりの精神やリアルな働く環境をお伝えすることができた、非常に意義のあるイベントとなりました。
今後もクリエイターに焦点を当てた採用イベントや採用記事を通して、求職者の方にコロプラの魅力を届けていきたいと思います。