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『黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』など
ヒット作を手掛けたリードクリエイターに聞く!
圧倒的センスで生み出すゲームコンセプトの構築力とは

  1. リードクリエイター
    白猫スーパーバイザー
    エンターテインメント本部 B1スタジオ 部長 

    角田亮二

    映像制作会社を経て、2012年6月にコロプラに入社。『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』など複数タイトルのディレクターとして開発に携わり、現在は未発表タイトルのディレクターを務める。

ーはじめに

コロプラはまだ世の中にない"新しい体験"を創出するため、昨年9月に新作開発をリードする「リードクリエイター制度」を新設しました。リードクリエイター制度は、コロプラの新作開発には欠かせない豊富なスキルと経験を持つエキスパートが「リードクリエイター」として新作開発を牽引する制度です。

今回は、映像業界でCGクリエイターとして活躍し、ゲーム業界未経験ながらも独創的な発想力と優れたセンスで『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』などのヒット作を世に送り出してきた角田亮二にこれまでのキャリアやゲーム作りに対するこだわりについてお話を聞いてみました!

これまでのキャリアについて教えてください。

子どもの頃から絵画教室に通ったり、絵を描くことが好きでした。高校では理系のクラスでしたが、当時見た「ロード・オブ・ザ・リング」の壮大な世界観と映像美に圧倒され、背景美術やCG制作に興味を持ち、美大への進学を決めました。その後は新卒で映像制作会社に入社して、バラエティやニュースなどのテレビ番組を中心としたCG、ロゴ、アニメーション制作に携わりました。なかでも特に鍛えられたのはバラエティ番組の制作でしたね。テレビのバラエティ番組はマス媒体なので、視聴者が一瞬で理解できるようにアニメーションの入れ方を工夫したり、どれくらいの秒数で読まれるかなど、決められた尺の中で効率よく情報を伝えることが求められるので、テクニカル的な手法や理論などを学びました。こういった演出や動画の見せ方などのノウハウは、今のゲームづくりに活きていると思います。

その後、2010年頃からUnityが映像制作の現場で使われるようになりました。カメラの前で人の動きに合わせてリアルタイムにキャラクターも動くようなデジタルサイネージ関連の仕事に携わるようになり、それがなんとなくゲームのように感じて、個人的にもUnityを使ってゲームを作るようになりました。それがゲーム業界に興味を持ったきっかけです。当時はUnityでゲームを出すのは非常に珍しく、それなりにヒットしました(笑)

コロプラに入社したきっかけを教えてください。

当時コロプラに大学の友人が勤めていて、3Dデザイナーが不足しているから、と誘われたのがきっかけでした。友人の紹介だったこともあり、とりあえず面接を受けたのですが、一次面接に当時社長(現会長)の馬場が現れたのには驚きました。しかも、面接とか一切せずに「今開発しているこのゲームどう思う?」という感じで、当時開発していた『プロ野球PRIDE』を見せてくれたんですよね。「どう?すごいでしょ」「これブラウザで動いちゃうんだよ」と目を輝かせて話してくれました。私もUnityを触り始めた時期だったので、当時作っていた3Dのデモを馬場に見てもらったり。社長自身が非常にものづくりが好きな人なんだな、と思ったのを覚えています。社長自身がクリエイターであるということは、クリエイターにとっては非常に心強い会社だなと。同時にここで働いてみたいなと思いました。

コロプラに入社して担当したタイトルを教えてください。

入社後は、ライトアプリの開発を担当しました。サーバーとの通信を必要としない落とし切りネイティブアプリのことです。ライトアプリでお客さまを集客し、売上の高い『秘宝探偵キャリー』などのゲームに送客する、ということを主な目的としていました。同時に3Dゲームを作るノウハウを蓄積することも狙っていました。そこで、3Dゲームを何本か作りましたね。『バトロボ』『クマの花火パズル』『動物アーク』といったタイトルです。今では考えられませんが、当時は2ヶ月に1本のペースでリリースしていましたね。すごいスピードですよね(笑)

『黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』の立ち上げについて教えてください。

『黒猫のウィズ(以下、黒ウィズ)』の開発に参画することになったのは、その後のことです。サーバー通信を行うネイティブアプリ、当時ネイティブオンラインと呼んでいたものをコロプラとして初めて開発しよう、という方針が会社で決定しました。それが黒ウィズでした。黒ウィズはアートディレクターを担当していたのですが、当初デザイナーがほとんどおらず、私一人でやっていました。立ち上げから全部です。リリース直前になってようやくヘルプで何人か増員がありましたが、あの頃はすごい働いていましたね(笑)ユーザーさまのご支持もあって、黒ウィズがCM放映と同時に凄まじくヒットしてくれたので、頑張った甲斐がありました。

黒ウィズでの頑張りを評価してもらい、その次のタイトルではありがたいことにディレクターを任せて頂くことになりました。それが『白猫プロジェクト(以下、白猫)』です。黒ウィズの次を作ろうとなった時に、さらにしっかりとしたゲームがいいよねと。キャラクターも自由に動かせて、フィールドも自由に移動できるアクションゲームという方向性を定めました。しかし同時に、片手で操作できる簡単さも実現したいと考えました。多くのユーザーさまに白猫を評価して頂いた点だと思うのですが、スマホで本格的なアクションRPGを簡単に遊ぶことができる、というコンセプトが生み出された瞬間だと思います。後になって思ったことではありますが、白猫は当時のスマホゲームに対する世間の見方を一新させたタイトルだったと自負しています。

白猫はリリースして数カ月運用に携わった後に浅井Pにバトンタッチをし、当時開発が難航していた『ランブル・シティ(以下、ランブル)』という街づくりゲーム、その次は『PaniPani(以下、パニパニ)』という横スクロールアクションRPGのディレクターを担当し、現在も引き続き、新作タイトルのディレクターとして開発を進めています。

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コロプラでの仕事で印象に残っていることはなんですか??

黒ウィズや白猫といった大きく成功したタイトルよりも、どちらかと言えばそれと比較して成功していないタイトルのほうがユニークで、個人的には好みで印象に残っています。具体的に言うとランブルとかパニパニのほうが強烈なものを作ったなぁと(笑)コロプラという会社は、顕在化しているニーズを満たすよりも潜在的なニーズを汲み取って新しいゲーム体験を提案していくことの多い会社だと思っています。それ故にかなり挑戦的なタイトルが多いんです。新しいゲーム体験の提案というのは結果としてそれが広く多くのユーザーさまに刺さることもあれば、刺さらないこともあります。黒ウィズや白猫は前者ですね。ランブルやパニパニは、刺さらなかったということではなく、黒ウィズや白猫と比べたら広くはないものの、特定のユーザーさまに強烈に刺さってくれたタイトルだと感じています。

ランブルはメインで街づくりをしながら、そこで作った建物を持ち込んでPvPを行う対戦ゲームという古今東西聞いたことがないゲームだったのですが、手前味噌で恐縮ですが、とても面白かったと思います(笑)「このゲームを作った人に会いたい」というユーザーさまがいて、実際に会社に来て頂いてお話したこともあるほどです。

パニパニは横スクロールのオープンワールドを永遠に横に歩いていけるというユニークなゲームでした。かつMMOで、多数のプレイヤーがフィールドに出現し、クラフトしてアイテムを作成して装備して、というような奥行きのある遊びが設けられていて、かなりゲーム性に対する評判は高かったと思います。ガチャではない新しいマネタイズに挑戦していて、その部分がうまくワークしなかったという問題がありましたが、個人的にはかなり面白いゲームだったなと思っています。

開発に携わったゲームは当然売れてほしいですが、売れることだけを追求しすぎると、その時々のトレンドや流行っている仕組みに囚われてしまいます。故にどこかで見たことがあるゲームになりがち。売れているものは当然意識はしつつも、プロダクトのユニーク性を第一に考える。それがコロプラらしさだと思っています。

ゲームを作る上で大切にしていることを教えてください。

新しいゲーム体験の提案、ないしユニークなものというのは、そもそもユーザーさまにとって分かりづらいものになりがちです。新しい=これまでの経験や知識が活きてこないからです。故に、「分かりやすさ」を大切にしています。「新しさ」と「分かりやすさ」の両立は難しいですが、それを解決した先に、ゲームエンターテインメントとしての価値があると信じています。

あとは、ユーザー視点という基本中の基本でありながら最も本質の部分ですね。どんな人がこのゲームを手に取って、どんな風に遊ぶのかを想像することでしか、ゲームは作れません。ユーザーさまの立場になって、その人が遊ぶ前提で考えると大体のことが分かってきます。細かな部分で差異はあれど、ユーザー様視点で考え抜けば大枠は間違えませんし、分かりやすさに関しても正解が出てきやすいです。

コンセプトをゼロから発想していると思いますが、発想するに至って普段意識していることを教えてください。

普段から意識していることは「こんなのあったらいいよね」という観点ですね。成立するかどうかはおいておいて、まだ世にないが面白そうなものを自由に考えます。次に、本当に世の中にないのか調べて、無ければ、次に無い理由、実現性を考えていきます。
白猫は、当時ターン制バトルのゲームが主流な状況において、ゲーム空間の中を自由に移動したり、キャラクターを自由に動かせたり、敵を自由に叩いて倒せたりするゲームってあったらいいよね、と考えたことで生まれました。

世界観もゼロから構築されていると思いますが、その部分に関してはどう着想されていますか?

黒猫も白猫も、「クイズRPG」や「ワンフィンガーRPG」といったようにゲーム性がユニークだったため、それらが引き立つように癖がなく普遍的な世界観(舞台設定)の構築を意識しました。その上で何年経ってもすたれないもの、根強い人気があるものを採用するようにしています。時代が変われば人の興味関心も変わっていくものですが、不変的なモチーフには根本的に人を楽しませる力があると考えています。

黒ウィズに関してお話すると、もともとモチーフはライトファンタジーという方向性だけ決まっていたんですよ。これは客観的な視点から入っていて、当時、弊社のブラウザゲーム『秘宝探偵キャリー』がヒットしており、ライトファンタジーというモチーフに明確な需要があったことに起因しています。加えて、ゲーム性としては、クイズとカードバトルということも決まっていました。このように、ある程度の枠組みは決まっていたんですね。それでは、具体的にどんなファンタジーが良いのかという段階で、冒頭で述べたように何年経ってもすたれない世界観には何があるんだろうと探しました。結果として、とある国民的映画を参考にすることにしました。年代問わずみんな好きという人が多いので、それくらい魅力が詰まっていると思ったからです。

白猫の世界観も同様ですね。あの空に浮いている島とか、理屈を超えて何故かワクワクしてしまう冒険、未知の旅に出かけるイメージです。

コロプラのフィロソフィーで意識していることはありますか?

意識していることはないですね。昔から私は、コロプラのフィロソフィーと同じ気持ちで生きてきたので、非常に共感できます。逆に、フィロソフィー以外のことは全くやりたくないくらいです。

チームをディレクションする上で大切にしていることは?

とても当たり前に聞こえるかもしれませんが、コミュニケーションを大事にしています。ゲーム開発は基本的に全てチームプレイなので、個人で完結することはありません。そのため、伝えたつもりが伝わってないということがないように、認識が合っているかどうかを常に意識してコミニケーションを取るように心掛けています。前職の映像制作の現場で苦労したことがきっかけだったと思います。ディレクターの作りたいものが分からず何度も作り直す経験を通じて、最初からビジョンが明確に合っていればこんなに作り直さなくても良いのにと強く感じたことを覚えています。イメージに齟齬があると、出来上がってくるものが全く違うものになってしまうんですよね。その経験を踏まえて、伝わりづらい場合や細かなニュアンスが重要な場合は、細部まで認識を合わせるために映像やVコンを作ったりします。

ディレクターとしては、自分がやったほうが絶対クオリティが上がる部分は絶対自分でやるようにすること、反対に自分がやらないほうが絶対良いものができる場合は絶対自分でやらないようにすることを大切にしています。繰り返しになりますが、ゲーム開発はチームプレイなので個々の得手不得手を活かすことが重要です。ディレクターという役割を担う人間も例外ではありません。指示を出すことだけに終始するのではなく、必要に応じて自分でやったり、任せる部分は完全に任せるという使い分けが必要です。

ゲーム作りをしていて楽しいと思うときはどんなときですか?

コロプラでのゲーム開発は新しいことへの挑戦と同義かと思います。新しいことは、失敗も多いですし、モノを形にするうえで諦めなければいけないことも多いので、そういうこともひっくるめると、楽しい事ばかりではないですが、チームで多くの才能がシナジーを起こし、自分の想像を超えたアウトプットが出たとき、やりがいと楽しさを感じます。

ゲーム作りにおいて今後実現したいことを教えてください。

今制作しているゲームは新しいゲームの遊び方を提案するコロプラらしい挑戦的なプロダクトになっています。世に出てヒットすれば新しいゲームのスタンダードになると思っているので、実現に向けて全力で取り組んでいます。

白猫に関しては、コロプラが持っている大事なIPの一つですので、ずっと大事にしていきたいと考えています。『白猫プロジェクト』は来年10周年を迎えますが、いまだに多くのユーザーさまに遊んで頂いています。有り難い限りです。その期待に応えられるように、『白猫プロジェクト』というゲームのみならず、ユーザーさまと一緒に作り上げていった白猫キャラクター達が活躍できる場を、クロスメディア展開含めてどんどん広げて行きたいです。
ただ、やはり白猫はゲームIPですので、本質的にはゲームでしか広がっていかないと思っています。『白猫テニス』『白猫GOLF』に続く、白猫だからこそできる面白いゲームをしっかりと作り続けて行きたいと思っています。

その他では、昨今はスマホを通じてあらゆるエンターテインメント、サービスと接続できるようになり、ユーザーさまはゲームに限らず色々なサービスを利用しています。サービス提供者目線だとユーザーさまの可処分時間の奪い合いという状況になっていますが、この状況を逆手にとったまさに「こんなのあったらいいよね」というアイデアが最近出てきました。詳細は言えないのですが、それが実現できたら面白いことになるんじゃないかと考えています。

どんな人と一緒に働きたいですか?

一番はコロプラのフィロソフィーに共感してくれる人と一緒に働きたいですね。新作を作るなかで周りにフィロソフィーを理解してくれている人が多いので、私自身とても働きやすさを感じていますし、開発メンバーと同じ方向を向いて目線を合わせながらものづくりできる環境はコロプラの魅力の一つだと思います。

あとは、物事をポジティブに捉えられる人。今後のゲーム業界は競争環境がさらに厳しくなってくることが予想されます。特にグローバルでは規制などによりゲームルールが違う状態で戦わされている状態なので、そういう無理ゲー感を感じる状況の中でもチャンスを見出せる人やポジティブに考えられる人はこの時代にすごく強いんじゃないかと思っています。
誰にもわからない未来を不安に思うのではなく、今を一生懸命こうしたらよくなりそうだよねとか、これだったらチャンスあるよねとか、そういったマインドを持っている方と一緒に働きたいです。

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角田さんが作るまだ世の中にない"新しい体験"を楽しみにしています。インタビューありがとうございました!

  1. 株式会社コロプラ
  2. 採用情報
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