デジタル未経験でゲームのデザイナーとして入社 〜新卒研修リポVol.2〜
こんにちは、2017年新卒デザイナーとして入社したPです。
学生時代は美大で日本画を学び、主に夜景などの風景画を描いていました。デジタルで絵を描くことがほとんどなかった自分がコロプラにゲームのデザイナーとして入社し、技術研修を受けてどのような学びや変化があったかをお話しできればと思います。
デザイナーの技術研修の内容は大きく分けて2Dと3Dのものがありました。私は2Dの背景志望で入社したので、今回は2D研修を中心にご紹介します。
最初はまずAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorといったデジタルツールの使い方の講義を受け、その後UI、背景、キャラというふうに、分野ごとにひとつひとつ学びました。先述のように私はデジタルツールの使用経験がないに等しく、そのような状態で入社して大丈夫なのかという不安があったのですが、初歩的な部分から細かく説明していただけましたし、質問もしやすい環境でありがたかったです。
とは言えそう簡単に技術が身につくものではありません。先輩方からは「今までファインアートで培ったデッサン力が根底にあるのだから、ここでツールに慣れてさえしまえば自信を持って制作ができる」と励ましていただき、それをモチベーションとして現在も取り組んでいます。
それぞれの分野について
1 UI
一番苦戦しつつも学びが大きかったのがUIでした。正直に言いますと就活を始めるまで「UI」という言葉さえ知らず、ゲームデザイナーと言えばなんとなくキャラや背景に特化しているイメージを持っていましたが、研修を終えてみると、ゲームにおけるUIの重要性を非常に強く感じるようになりました。
今では、UIこそが「人に伝える」という、デザイナーとして意識すべき部分が一番問われる分野ではないかと思っています。
2 背景
自分が志望していた分野で、とくに気合いを入れて取り組みました。パースを意識し形を整えていくことや細かい部分を描き込むのは楽しかったのですが、今まで描いてきた風景画とは違い、キャラが入っても目立ち過ぎないよう自然な感じにする必要がありましたし、逆に現実の景色にとらわれすぎない遊び心のあるアイディアを加えることで、作品の世界観をより追求できるということを学びました。
3 キャラ
キャラクターデザインも経験が少なかったので、とりあえずある程度設定を考え、その要素を形にしていくという姿勢で取り組み始めたのですが......先輩のアドバイスをいただくうちに、もっとずっと奥深いものだと、大きく認識の変わった分野でした。
どんなシーンでも、上辺だけではなく各キャラの設定を深く考えて、そのイラスト1枚にキャラの性格やそれまでの人生が全て表れるほど、細部までこだわることを学びました。
研修全体を通して
芸術の勉強をしてきた自分がデザイナーになるという決意をするにあたっては、「アーティスト(芸術家)との違いを意識しなくてはならない」という考えが大きく働いていました。そして「自分自身のこだわりは不要で、与えられた課題に応えなくてはならない。ある意味、自分を捨てて技術を提供するべき」とも思っていました。しかし、今回の研修を受けているうちにその限りではないと思い始めました。
たとえば「自分が描きたい物だけ描く」「主観的な描写で、人に伝える気がない」。
このような独りよがりの考えやこだわりは、人に何かをに伝えるためにものを作るデザイナーとして良いものではありませんが、先述のキャラ研修で学んだ「細部まで気を配る」というような、作品の魅力を伝えるためのこだわりはむしろ必要なものだと思います。 そして、「ユーザーさまに楽しんでいただくものを作るためには、必要な情報をすべて入れた上でわかりやすく整理し、状況に応じて自分ならではのアイディアも添えるべき」と考えるようになり、研修を終える頃には「期待された以上のものを創れるようになりたい」と思うようになりました。
私がコロプラに入社したのは、組織の一員となることで、ひとりでは成し得ない大きなものづくりをする喜びを求めたからです。この思いと、研修から学んだことを見失わずに成長していきたいと思います。