【取締役インタビュー】
エンジニア出身のCHROが考える
コロプラの文化を育む組織づくりとは
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菅井 健太
複数の企業でエンジニアとして従事し、2010年コロプラに中途入社。サーバーサイドエンジニアとして複数タイトルの開発に携わったのち、2016年に取締役に就任。技術基盤本部、IT戦略室を管掌。2023年1月にCHROに就任し、HR本部管掌役員を兼任。
ーはじめに
2023年1月新CHROとして取締役の菅井が就任。創業期からエンジニアとしてコロプラを支えてきた菅井のこれまでのキャリアや、事業サイドの経験があるからこそできる人事施策、今後の取り組みなど、エンジニア出身のCHROが考える組織づくりについてお話を聞いてみました!
業務効率をきっかけにエンジニアの道へ
早速、新たにCHROに就任した菅井さんのこれまでの経歴を教えてください。
もともとエンジニアと関係のない施工会社で配管の設計士として働いていました。エンジニアになるきっかけとなったのが次の会社で、繰り返しのオペレーションなど手間のかかる定型業務をやっていたのですが、もっと効率化できるのでは?と思い、自分でプログラミングをして、システムを構築してと色々な業務改善の提案や効率化をやっていきました。
僕自身プログラミングの経験はなかったので、Webや本を読んで独学で勉強をして、業務の効率化をどんどん進めていったら色々な人に喜んでもらえて、この体験がとても嬉しくて「もっとエンジニアをやりたいな」と思いました。
その後エンジニアとして大手SIerに転職をして、国の給与システムの開発に携わっていました。Javaやネットワークなどのスキルも実際に働きながら身につけていきましたね。
そこから自社サービス開発に興味を持ち、カカクコムグループの旅行口コミサイトの会社に転職をして、サーバーの開発やインフラ業務などに従事していました。
組織が急拡大し取締役に就任
コロプラに入社してからはどんな業務を担当されてきたんでしょうか?
2010年に友人の紹介で入社して、最初はサーバーサイドエンジニアとして元祖位置ゲー『コロニーな生活☆PLUS』の機能開発を担当してました。それから広告サイトのミニゲームを作ったり、新事業を立ち上げたり、当時はまだ50人規模の会社で、会社としてもこれから大きくなっていくフェーズだったので、エンジニア以外の仕事もなんでもやっていましたね。
入社して2年くらいでコロプラプラットフォームのアプリ開発にディレクターとして携わり、位置情報とパズルを掛け合わせた『コロパズ』や『宇宙犬のきらめきマーケット』などをリリースしました。
当時は今と違ってUnityがない時代で、ブラウザゲームを作るときはサーバーサイドエンジニアがバックエンドからフロントエンドまで全部を開発していました。チーム人数が少ないということもあり、裁量が大きく、スピード感を持って開発を進めてたので、大きな達成感と自身の成長を感じることができました。
その後スマートフォンの普及によって、ブラウザゲームからネイティヴアプリに移行し、2013年に『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、2014年に『白猫プロジェクト』などのヒット作をリリースしました。
当時の開発体制は、事業部制を敷いていたのですが、事業の拡大とともに技術力の向上とノウハウの集約が必要不可欠になってきたため、機能性組織に変更をしました。
そのタイミングで、デザイナー、エンジニアを一つにまとめた組織を管掌をすることになり、2016年に取締役に就任しました。
この頃は組織も急拡大し、従業員も1,000人を超えていたので、サーバーやインフラなど開発環境の整備をはじめ、ネットワークやセキュリティ、従業員同士が効果的に連携できるような社内システムの構築など組織拡大に応じた環境の改善や効率化を行っていました。
現在はエンジニア部門と、今年の1月からHR部門の管掌役員として横断的に組織をみています。
ユーザー思考で考える
創業期から変わらないカルチャー
創業期を知る菅井さんですが、昔から変わっていないコロプラのカルチャーを教えてください。
"新しい体験を届ける"というものづくりに対する姿勢は創業者の馬場が当時から大切にしている考え方で、コロプラのフィロソフィーや文化としても強く根付いていると思います。
僕が開発に携わった『プロ野球PRIDE』は、当時モバイルゲームの野球ゲームでは珍しいバッティング要素を取り入れた野球ゲームでした。こういった新しい要素や体験をどんどん取り入れていこうといったチャレンジできる環境も昔から変わっていないですし、"新しい体験を届ける"という一貫したものづくりへの思いがコロプラらしいゲームを作るために必要だと思っています。
あとは、"ユーザーファースト"を第一に考えるところも創業当時から変わっていないですね。「ユーザーさまにとってどうか」、「ユーザーさまにどんな体験を届けたいか」常にユーザーさまの視点を意識するところは今も昔も変わっていません。
ユーザーさまからの声をどうゲームに落とし込んでいくか、数値的な改善点も合わせて真摯に向き合うことを大切にしています。
人事データを効率化
「人」を起点にしたデータ活用
エンジニアとして現場を支えてきた菅井さんだからこそ、CHROに活かせることがあれば教えてください。
企業を取り巻く環境が急激に変化するなかで、事業を持続的に推進していくためにも、現場や事業サイドのことを理解した組織づくりが重要です。
僕自身ずっと事業サイドに身を置いてきたので、CHRO業務にも現場目線の考え方や価値観を活かせると考えています。
具体的には、オンボーディングから開発環境に至るまで開発体験向上を推進したり、会社にとって一番大切な「人」を起点にしたデータ活用や改善をやっていきたいです。
人事データは給与や労務面など重要な個人情報を扱っているため、エンジニア部門が介入しづらいところではありますが、CHROとして社内の連携が上手く取れるように改善していきたいです。
コロプラの文化を育む人事制度
コロプラが取り組んできた福利厚生や人事施策について考えていることを教えてください。
コロプラがこれまで取り組んできたこと、こだわってきたこと、従業員に求めてきたことがコロプラの文化として継承され、それらを制度や形に落とし込んだものが現在の人事制度だと思っています。
たとえば、従業員のアイデアから新規事業を生み出す仕組みとして新たに導入した「TRY会議」や色々な職種に挑戦できる「チャレンジ制度」はまさにコロプラの文化である"新しい体験を届ける"を体現した取り組みです。このように新しく作るのではなく、コロプラの文化を育むような制度づくりに取り組んでいきたいです。
一方で、社会状況や経営課題にも対応していかなければならないので、そこに対してはスピーディーな判断が求められます。情報をキャッチアップして経営会議で今動くべきなのか、制度化するのかを話し合い、決定からアクション、検証までのステップをすばやく実行しています。
コロナ禍では、第一波からいち早くリモート制度を導入し、それに伴う「在宅勤務手当」や「オンラインランチサポート」といった施策をはじめ、VPNやネットワーク周り、オフィス内の感染症対策など状況に応じた対応をハイスピードで進めてきました。
直近では、急激なインフレに対応するために「インフレサポート特別手当」を導入し、従業員に月額1万円を支給する生活支援を行っています。インフレの影響を受けにくいとされるゲーム業界では珍しい試みですが、従業員の不安を軽減し、ものづくりに集中できる環境を提供するために、緊急措置として導入しました。こうした対応が早いのもコロプラの一つの強みですし、多くの方に楽しんでいただけるエンタメを提供するのが我々のミッションなので、これからもコロプラの文化を体現するような施策を増やしていきたいです。
職種にとらわれない組織づくり
CHROとして今後の展望を教えてください。
プランナー、エンジニア、デザイナーなど職種の枠を超えてもっと横断的にチャレンジしたり、連携しやすい環境を作っていきたいです。たとえば、昨年新設した「リードクリエイター制度」は、新作開発には欠かせない豊富なスキルと経験を持つエキスパートが「リードクリエイター」として新作開発を牽引する制度です。現在4名のリードクリエイターが選任され、それぞれプランナー、デザイナーなど多様なキャリアを持っています。リードクリエイターのように職種や役割にとらわれず、活躍できる人材がどんどん出てきてくれたら嬉しいですし、そんな環境をもっと増やしていきたいです。
あとは、ゲーム作りだけでなく、新しいものはすべて「人」から生まれるので、従業員や求職者に向けてより魅力的な会社と思ってもらうために、時代にあった方法やコロプラのフィロソフィーに共感を持ってもらえるような情報発信にも力を入れていきたいです。
どんな人と一緒に働きたいですか??
「こういう体験を作りたい」という目的に対して手段を問わない方と一緒に働きたいです。どんな価値を届けたいのかを明確にすることがゲームづくりにおいてとても大切だと思っているので、そこに対して同じ目線を持って取り組んでいただける方と働きたいですね。
新卒採用もスタートしたので、新卒に対して期待していることを教えてください。
特に新卒1〜2年目くらいは何でも聞けるボーナス期だと思っているので、わからないことがあればどんどん質問して聞いてほしいですね。先輩社員も質問に対する答えや考え方を相手に伝えるための言語化だったりスキルが求められるので、互いに成長できる機会が生まれると思っています。
なので新卒の方に限らず、若手社員や中途の方でも同じですが、分からないことはどんどん聞いて、教えてもらったことを仕事に還元してほしいなと思っています。
菅井さん ありがとうございました。時代にあった新しい人事戦略に期待しています!