中町俊椰（なかまち しゅんや）は、小学生の頃から野球を続けてきたスポーツ少年だった。
しかし、大学在学中に不慮の事故で頸髄損傷となり、重度の障がいを負った。

今まで当たり前のようにできていたことが、何一つできなくなり、一からのスタート。
寝たきりの状態から、体を動かし、起き上がることもできない。

本来であれば、絶望するかもしれないような状況下で、一つ一つが改めてできるようになることに喜びを感じられるようになった。
努力をすることで、コツコツと積み上げることで、できないことができるようになり、前に進むことができる。
障がいを負うことで、自身の成長に対して貪欲に、前向きになれた気がする。

そして、車いすラグビーに出会う。
同じポイントの先輩に圧倒されつつも、明確な目標ができた。

―――他の人に負けたくない。

2019年に日本代表に選出され国際大会に出場し、世界を体感したことで、その気持ちはより強くなった。

誰にも負けない。
自分自身が世界一のプレイヤーになるべく、今日も前に進むのだ。